【鎌倉・歴史まちづくり】提言回答−歴史的風致維持向上計画について。【つのだあきお】
- 2016.02.29 Monday
- 23:08
(つのだあきお 角田晶生・笹竜党 代表)
鎌倉市の「歴史的風致維持向上計画」における「大切にしたい歴史的風致」として鎌倉市の「山の中(鶴岡八幡宮を中心とした、いわゆる鎌倉地域)」とその周辺(沿岸および北鎌倉、腰越地域の一部)が重点区域に指定されていましたが、それ以外の地域にだって歴史的価値は存在するし、むしろ鎌倉市を一体化して「歴史の都」として次世代に継承するべく提言したところ、下記の通りご回答を頂きました。
※参考:
【鎌倉・歴史的まちづくり】市政提言−歴史的風致維持向上計画について。【つのだあきお】
http://tsunoda-akio.jugem.jp/?eid=886
【回答ここから】
鎌歴第789号
平成28年2月25日
角田 晶生 様
鎌倉市長 松尾 崇(神奈川県鎌倉市長印)
この度はご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
さて、「重点区域」は、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(通称歴史まちづくり法)第2条において、「文化財保護法の規定により重要文化財等として指定された建造物の用に供される土地の区域及びその周辺の土地の区域」であるとともに、「歴史的風致の維持及び向上を図るための施策を重点的かつ一体的に推進することが特に必要であると認められる土地の区域」と定義されていることから、歴史的風致の範囲外では重点区域を定めることはできません。
また、「歴史的風致」は、法第1条において、「地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境」と定義されています。これを言い換えると「歴史的風致」は、「概ね半世紀以上前に造られた建造物及びその周辺において、建造物と一体となって行われる人々の活動が半世紀以上にわたって継続されており、かつ緑地等の良好な自然的環境を背景として面的に広がる市街地環境の範囲」といえ、ハードとしての建造物と、ソフトとしての人々の活動を合わせた概念です。
五つの行政区域については、歴史的風致の条件を満たしておらず、歴史的風致を設定できないことから、重点区域を拡大することは難しいと考えます。
なお、重点区域において歴史的風致維持向上施設の整備や歴史的風致形成建造物の維持管理など様々な事業を実施し、歴史的風致の維持向上を図ることで、重点区域以外にもその効果を波及させ、市域全体において「歴史的遺産と共生するまちづくり」を推進していきます。
今後とも、本市の歴史まちづくりにご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い致します。
【事務担当】
鎌倉市歴史まちづくり推進担当
電話0467-23-3000 内線2674
(管理番号27-265)
【回答ここまで】
まずはご回答、誠にありがとうございます。
さて、少し長いので噛み砕きますと、
(1)歴史的まちづくり法により、歴史的風致(の条件を満たす場所)以外に重点区域を設定できない。
(2)歴史的風致とは、古い(概ね50年以上)建物と、それを使った活動が(概ね50年以上)続いていること、近くに豊かな自然があることを指す。
(3)他の地域(玉縄・大船・深沢など)は、それを満たしていない。
(4)でも、現在の重点区域を盛り上げることで、それらの地域も含めて鎌倉市全体を盛り上げて行きたい。
……と言ったところでしょうか。
おそらくカギは、文化財保護法の規定に該当する「古い建物」かと思われます。他の条件は厳密な規定ではないし、見方次第では玉縄・大船・深沢地域にだって、豊かな自然と歴史を感じさせる建物、そしてその周辺に根付いた活動をピックアップすることが出来る筈です。
とは言え、現状として当局はその動きを見せないようですから、今後に認められるよう、私たちで地元の魅力を発掘・発信していく努力が必要であると考えます。
「山の外」だって立派な鎌倉。私たちの地元愛を存分に注ぎ、「歴史のまち」に育て上げて行きたいものです。
- -
- -
- -