【傍聴】平成28年度 第1回 鎌倉市消費生活委員会。【つのだあきお】
- 2016.10.31 Monday
- 23:02
JUGEMテーマ:地域/ローカル
(つのだあきお 角田晶生・笹竜党 代表)
平成28年10月31日(月)、鎌倉市役所第1委員会室にて実施された平成28年度 第1回 鎌倉市消費生活委員会に出席(委員8/10名、事務局3名、傍聴2名)。審議の様子を傍聴させて頂きました。
今回の議事は以下の通りです。
(1)平成27年度事業の報告、平成28年度事業の概要について
(2)消費生活相談の状況について
(3)鎌倉市消費生活センター条例の制定について
(4)消費者教育推進に係る取り組みについて
(5)見守りネットワーク構築に向けた取り組みについて
(6)消費生活eモニター制度の見直しについて
【消費生活行政の概要】
消費者被害を防ぐための意識啓発として、講座やパネル展の開催、暮らしのニュース(生活情報チラシ等)発行や「広報かまくら」への記事掲載、消費者団体に対する活動支援、消費生活相談や法(※1)に基づく立ち入り検査、鎌倉市消費生活委員会の会議実施などが報告されました。
(※1)家庭用品品質表示法、消費生活用製品安全法、電気用品安全法、ガス事業法、液石法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)
委員からは「こうした意識啓発は地域や自治町内会によって温度差があるが、防犯がそうであるように、意識の高い地域ほど被害が少ないことを実証できるデータがあると、どこもが力を入れるようになるだろう(大意)」などの意見があり、鎌倉市全体の意識向上により、安全・安心な消費生活の実現が期待されます。
【消費生活相談事例】
鎌倉市内では1,615件/年(平成27年度)消費生活相談があり、その中から11事例を紹介。高額請求(アダルトサイト、オンラインゲーム等)、通信販売、多重債務、通信契約(携帯電話の機種変更、インターネット契約など)、訪問買い取り、儲け話(高額商材購入)など、女性や未成年者、高齢者の被害相談が多い傾向について説明されました。
委員から「こうした生々しい事例・情報を市民と共有し、教訓として被害予防に活かすべき」等の意見が出され、消費生活意識の向上が求められました。
【鎌倉市消費生活センター条例の制定について】
鎌倉市消費生活センターの組織運営や安全管理に必要な事項について定めた条例(平成28年3月31日、条例第41号)の概要と、それに関連する条例など(鎌倉市消費生活条例、鎌倉市消費生活センター設置要綱、鎌倉市消費生活相談員設置要綱)の調整について説明がありました。
【消費者教育推進に係る取り組みについて】
鎌倉市内の公立小・中学校に対して消費者教育に関するアンケートを実施したところ、学校ごとに大きな温度差があり、時間数の確保や教材の整備・活用、カリキュラムの確立などに課題を抱えていることが明らかになりました。
委員からは「児童・生徒だけでなく保護者やPTAなどに対しても、あるいは親子に対する教育機会を充実すべき」「学校のキャパシティ(時間、人材、予算)を超えてしまわないよう、地域や家庭との協力・連携も視野に入れるべき」等の意見が出され、子供の「生きる力」を育てる施策が求められます。
【見守りネットワーク構築に向けた取り組みについて】
高齢者の消費者被害を予防するため、新たな取り組みとして地域包括支援センターや民生委員・児童相談員などとの協力・連携を強化する方針や、実際の事例(屋根の修理、リフォーム、新聞押し売り等)について説明、報告がありました。
委員から「高齢者の見守りというと、どうしても安否確認といった生命・安全に目が行きがちになり、消費者生活の優先順位が低くされる傾向にあるが、今後意識の向上が求められる」等の意見が上がりましたが、いちいち分野ごとに分けず、日ごろから高齢者とのコミュニケーションを密にしておくことが、様々な事態に対応する上で最重要と考えます。
また、個人情報保護のカベが地域のつながりを妨げていることもあり、今後より柔軟な運用が求められます。
【消費生活eモニター制度の見直しについて】
インターネットを通して消費生活に関する市民の声を届ける「消費生活eモニター」制度について、より広範囲に市政の課題をカバーする「市政e-モニター」制度への統合が説明されました。
【その他】
以上で議題が終了したところ、委員から動議がなされ、市議会における上畠議員の「年寄りはカネを持っているのだから、助成など必要ない(大意)」といった発言に言及。高齢者の消費者生活を脅かすものとして非難していましたが、確かに高齢者と一口に言っても「下流老人」という言葉が流行っているように一概に金持ちでもなく、個々の経済状況に応じつつ、かつ全体的に最低限の消費生活水準を保てる施策が求められます。
次回の会議は平成29年10月の予定。より豊かで安心できる鎌倉の消費生活に向けた取り組みが期待されます。
※参考:
鎌倉市/消費生活
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kurashi/shouhi/index.html
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